2013年09月13日

木の葉の手紙

木の葉の手紙
びんせんにはつづれない
それは あなたに届ける言葉
あて名のない
名前のない

とめどなく こぼれ落ちる
雨だれでつづる文字

たくさんの木の葉の
たった一枚に記された
秘密の手紙は
あなたにだけ

陽だまりに色づいて
木枯らしに散っていく
だれのために
つづられたのか
舞い散る枯葉は
行方を知って旅を行く

枝から千切れて
風に去る
好きなあなたのためなら
何も惜しくはないと


  木の葉の手紙  Ⅱ

想いだす雨垂れの
遠い古は
葉脈をすべり葉先に流れ

雫に映る面影の
憶えている言葉の旋律を繰り返し
木の葉に綴る
五線譜の哀しみ

雫は言葉も音も選らずに
葉から葉へ愛を綴る
信じているから
あなたには伝わってゆく
葉の色が褪せないことを
人知れず祈る声も
あなたには伝わってゆく

雨垂れが配達する
びしょ濡れの手紙は
あたたかな調べに封をして
秘密の余韻を呟く雨の音



  KONOHAの手紙

雨だれで
木の葉に綴る文字
あて名を伏せて
差しだす名も秘めて
葉先から滴ることばの雫
落下して土に染みこんで
眠っていくのでしょう








posted by 水月 りら at 23:23| | 更新情報をチェックする

風鈴

風鈴は 風に逢えると
チリン チリン と唄いだす

あたたかい風が吹いても
つめたい風が舞いこんできても
風鈴のかなでる音は
チリン チリン 
変わらない音色で呼んでいる

それは たったひとりの
誰かに伝えるために
胸であたため続けている
言葉のように

手紙が届く前に
物語の瞳は閉じてしまった
沈黙につつまれた真っ白な影絵
語ることのできなくなった選択に
置き去りの未開封の手紙が
季節を忘れ 時間を忘れ 世界を忘れて
誰の手にも届かないまま

風の見る夢のなかで
あなたに逢いたくて
わたしは毎日 窓をあけてみる
真夏でも 真冬でも
とうめいの星屑を散りばめる
そんな
風に逢いたくて

チリン チリン
ほら 今日も風に逢えたね




posted by 水月 りら at 22:47| | 更新情報をチェックする

闇の手のひら

夜空を 眺めていると
夜空に眠っている 数多の秘密が
てのひらに 舞い降りてくるようだ

それは 知らない場所で
知らない時間に 墜ちた星の物語
見えないだけで 雨が降るように
星は絶えまなく 墜ちているのかもしれない

星と星のあいだの闇を数えることは
星の数を数えることよりも
無限な時間を必要とするように
星と星のあいだには
膨大な闇が 凋落している
星々の愁いを 冴えかえる輝きに映すため

吸気のあとの呼気が 訪れなくなる瞬間
あるいは 呼気のあとの吸気が消えてしまう瞬間
ひとつの星が 人知れず墜ちていく
夜空に 炎の傷をかきこんで
波乱の生き様を 精一杯
一筋の流れに こめて
消えていく

星と星のあいだに凋落している
膨大な闇に 許されて 受けとめられて
命は尽きるまで輝いて
消えて
逝く
命は
見える瞳から消えてゆくけれど
見えない場所で更なる輝きに満ちあふれ
やさしい闇の手のひらを動かして
凋落を抱きとめるかのように
見守っている





posted by 水月 りら at 22:25| | 更新情報をチェックする

2013年09月12日

曼珠沙華

川のほとり 砂ににごる
流れを見つめ あなたを待っている
背を向けながら ほんとうは待っている
ここに来てはいけないわ
ここに来て抱きしめて

沈んでは浮きあがり
重ねるくちびるにおぼれたら
さんずの川に薄れる紅の色
ながい髪に あなたの指を巻きつけて
からだのすべてを愛撫され
やわらかな幕に あなたが
なめらかに すべる瞬間(とき)

飛び散る血潮は曼朱沙華
燃えて砕ける炎の破片
流れ狂う血潮は曼朱沙華
素肌を朱く塗りかえる

にごり水を泳いだら
きよらかな眠りに いざなわれ
燃えさかるまま赫(あか)い涙で咲いている
あなたの熱さを知ってから

はるかな無限をあまたに超えて
あなたの彼岸に咲いている





posted by 水月 りら at 21:46| | 更新情報をチェックする

であい

  であいⅠ

とびらをあけて
だれかとであう

ひとつひとつの
であいは たね

たねをはぐくむ
みずを あたえ

ことばをかわし
こころがかよい

たねから めが
でてしんじあう

ふたばが のび
つぼみがうまれ

つぼみふくらみ
はな ほころぶ

たった ひとつ
ひとつの たね

たねのむすうの
ぶんしんをうみ

よわさをみつけ
つよさがのびる

とびらをあけて
いつかとじても

こころにさいた
あなたの はな

ともにそだてた
あかしをつづる


  であい  Ⅱ

とびらをあけて だれかとであう
ひとつひとつの であいは 
てんから まかれた たね
みらいにおこる できごとを
あたため はぐくむ

つちのなかから
たいようのひかりをあびて
あまみずをすいこんで
ことばをかわし
こころがかよい
たねから めがでて
しんじあう

ふたばがのび
うまれたつぼみは
ゆめをみるように ふくらんで
ゆめからさめるように
ひらく はなびら
たったひとつの たね
いくつもの たったひとつに
めぐりあう
うつくしいせつなは かさなり
まずしいせつなは きえる

かさなる せつなに
かれない はながさき
こころのみのりになり
みらいのよかんを しゅうかくする

かなしさも くるしさも
よろこびも くやしさも
こころのうごきが
はなのいろになる 
まばたくひとみのように
はなは ひょうげんできることの
しあわせをしってゆく
であい
それは のびやかな
ひょうげんの たね



posted by 水月 りら at 21:34| ポエム | 更新情報をチェックする

蓮の葉っぱ

そらを まあるく
みつめているの

かぜに まあるく
ふかれているの

ひかりとかげが
なかよく てをつなぎ

あざやかな はなを
まあるく つつんでいたいの



posted by 水月 りら at 21:25| ポエム | 更新情報をチェックする

2013年09月11日

木漏れ日

にんげんから
とおざかるように
木はしげる

にんげんから
のがれていくように
枝がのびる

むぞうさに
しげる 雑木林
木々のかげで
いくつもの
ちいさな命は
呼んでいる

ひとつぶの光
ひとすじに
葉っぱの
すきまから
ふりそそぎ

にんげんが
とどかない空間で
小さな妖精が
ほほ笑んでいる




posted by 水月 りら at 22:23| ポエム | 更新情報をチェックする

はなさないで

その腕を
その手を
その肩を
その胸を
その足を
その顔を
その唇を
その体を
その熱を
その秘密を
 
はなさないで
闇のなかだから
見つけていたい
たったひとりの
愛しいあなた

posted by 水月 りら at 21:56| ポエム | 更新情報をチェックする

鶴の恩返し


一枚一枚の 羽根を千切って
機(はた)を織っていた
鶴のように
わたしも
一枚一枚 羽根を千切って
描いていきます

伝えていたいのです
見つからないのです
見失ってしまいそうなのです
千切る羽根すら
もう 無くなってしまいそう
だけど 探していたいのです

毎日 あなたに贈る
ささやかな 恋文
おはよう
おやすみ
たった それだけを
長々と 綴る日
ひと言を 綴る日

ぎこちなくて
つぎあとだらけの
恋文だけど
一枚の羽根を添えて
あなたに 捧げます

一羽の鶴が 
身を削り
恩返しを したように



posted by 水月 りら at 21:47| ポエム | 更新情報をチェックする

いつも

ケータイでんわのように
さいふのように
一枚のハンカチのように
あなたをくるむスカーフのように

いつも
肌身はなさず
わたしを

はぐれてしまっても
はぐれた場所にあなたがいる
探さなくてもわたしの場所を知っている
数え切れない時間をついやしても
惹き合っている

すべての人がルフの言葉に
気がついていなくても
あなただけは伝えていて
ルフが愛したあなたの言葉を
わたしに









*ルフ…空・海・大地、すべてに存在し、生物にも宿っている魔力
(「マギ」大島忍作より、引用しました)



posted by 水月 りら at 21:41| ポエム | 更新情報をチェックする

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