2013年05月20日

桜しぐれ

Part 2

見つめられたそよ風の
さしのべられた手にいざなわれ
ひとまわりする風の環に
ふるえた鼓動 胸に手をあてて

かたむき慕うそよ風に
花びら捧げていけるのなら
散っていくことすら惜しくはないの
やわらかな風に吹かれましょう

  散って
     散って
         散って
            散って

報われなくても花を咲かせましょう
わかれた枝の樹液を微熱にからめ
焦がれてふくらむ桜の実





Part 3

百年の流れる時代(とき)に
春になったら生まれましょう

翠雨(あめ)がみどりの黒髪に
水玉の鏡のしずくを残す
翠風(かぜ)に葉をふるわせ 
かさかさと詠んでいる

黄金(こがね)の薄日に反射して
秋の夕陽色に染まる琥珀の瞳
さやさやと風に微笑して葉を落とす

木枯しを裸身で受けとめて
枝に降り積もる雪の華化粧
目にもとまらぬ蕾の子を守り

百年の巡る季節に
春になったら咲きましょう

幾重にもかさなる時空を越えて
全身をながれた樹液は
あなたの夢の色となるために
心煮つめて指先に咲くために
想い 想い 想いながら

百の蕾をひとつずつ ふくらませ
千の華がひとつずつ ひらいては
あなたの青空にまわる桜の万華鏡
花冷えの暗闇に桜色のつらなる波を呼ぶ

一寸の出逢いをあなたに届けましょう
そばで見守っていましょう
遠くの後ろ姿 花霞のように
あなたに振りむいていましょう
百年後にまた逢えるでしょうか

桜雨に うたい しぐれて
花風に あそび ふぶいて
         
むすうの花びらは
揺れて 舞いながら
最期のときを真珠色にひかり
散り落ちていくのでしょう

涙にぬれた あなたの頬に
そっと そっと……






posted by 水月 りら at 22:01| | 更新情報をチェックする
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