2013年11月08日

とおりゃんせ とおりゃんせ

じゃりみちの
りょうはしにならんだ
あらかんぞう
手をのばし
むかいのあらかんぞうの
ゆびのあいだにゆびをいれ
門をつくっている

  ここはどこのほそみちじゃ
  てんじんさまのほそみちじゃ

耳をふさぐと聴こえてくる
てのひらに押しもどされた
風のように

  ちょっととおしてくだしゃんせ
  ごようのないものとおしゃせぬ

どこを通れば
生まれてゆけるのかと
あらかんさまに尋ねていた
おそれおおくも あらかんさまに
洗いながしてもらった
つぐなうための荷物を背負う
まあたらしくなった
わすれものといっしょに
産道をくぐりぬけてゆく
にんげんに生まれたら
きっと、なにかに
差し止められているかのように
想い出すことのないものでも
記憶と呼ばせてほしくて
此岸のどろぬまのなか
彼岸のほそみちを探してゆくのだろう

てんじんさまのほそみちを
あらかんさまのほそみちと、そう唄えば
おそらく嘘だといって、だれもが信じない
ほんとうのことを観たことはないから
見えないものに疑いぶかくなる
ふたしかなのか、たしかなのか
五感いがいの直観の知るところ

  このこのななつのおいわいに
  おふだをおさめにまいります

生まれ落ちるうんめいを
買いもとめることのできるおふだを
手にしたものが、空と地上をつなぐ
産道をあたまでひらき
つきすすみ、かいてんする
産道をとおりそびれても
だれしもが いびつな圧迫に耐えしのび
はじめてのくうきを吸い込みながら
だいじな約束は忘却に沈ませる
天の声からはぐれるものは
濁る意識の自覚を失くし影は薄くなる
天の声の聴こえるものは
天帝の願いの叶う光を授かることが
約束だった

いきはよいよい
かえりはこわい

はじめての産声から
かたみちきっぷをにぎりしめ
生きぬくことは帰り道
呼吸が止まるまで昏い道にほんろうする
うらづけられる理由より
うらづけられない愛のかたちを
見つけたくても
この仮装の幻想では見つからなくて 
壊れやすいかたちは愛ではないと
判る出逢いに出会うまで
炎のみずうみと針の山にぶちあたり
見えない動かし手に
護られる幸福を感じるために
思い通りにならない跳ね返りを選び
思い上がりを天にかち割られると
傷口が痛みだし
思い上がりを自らでかち割ると
傷口は幻だったと天の声がする
天帝の願う感情を捨てたものたちの
うらぎりには背を向けていても
だれかのためになにかをしたくなる
ほどこしを知り
生まれる前から愛していた
天帝の願いと一体化して
もとのところにかえっていく

見えないところから見つめている
あらかんさまの真実は

  こわいながらも
  とおりゃんせ




posted by 水月 りら at 23:27| Comment(0) | | 更新情報をチェックする
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