2013年10月04日

太陽のなみだ

銀河のすべてに
漂っている
あなたの輝き

あなたはひとつでありながら
あらゆるところに
いくつものあなたが
いくつもの地上を照らしている

よどみ けがれ にごり
輝きながら
こぼれ落ちる目映い光は
あなたのなみだ

あなたではないもののために
あなたは惜しみなく
光を放ち
地上は与えられている
輝きというあなたの悲しみを




posted by 水月 りら at 19:44| ポエム | 更新情報をチェックする

2013年10月03日

ふたつの炎/つぼみ/黄昏の置手紙

 ふたつの炎     

たよりあうことではなく
分かりあうことでもない

支えあうこと 
それはおたがいの光に
耳をかたむけあうこと

ことばが分からなくても
炎は心の音をそっと聴いている





つぼみ

かならず ひらくから
そんなふうに信じてみたくなり
瞳をとじてみる

だって 瞳をあけていると
映るものしか信じられなくなってしまうから

まぶたのうちがわなら 
はなびらが空に輪をえがいている
知らない明日を見ることができるわ

見たことのない時の訪れを
とじた瞳は知っているのよ

風はなまえを呼んでいたの
つぼみに 希望と







たそがれの置手紙

はやく夜になぁれとだれかが零す
黒いインクの一滴がにじみながら
すこぅしずつ夕焼けを冷まして
黄昏は祝福されたように此岸から遠ざかる

できるだけ さみしいほうがいい 
おぼろ雲にかくれる星を探しにいけるから

憂いからあふれる熱い雫を送る 
ケータイをひらいてみると
こぼれ落ちていた
あなたの一番星




 
posted by 水月 りら at 15:49| ポエム | 更新情報をチェックする

2013年10月02日

初雪かずら

はじめて雪を憶えた
日のように
色づいた白い葉は
華のように降りつもる
ひとひらの記憶に
消えた結晶を想い出し
濡れて瞳は淡い紅になる

雨に打たれ濡れた頬に
零れていた薄紅と
よく似た結晶
きみの横顔に舞い落ちて
初雪は薄紅色に出逢う
生まれて初めて
溶けてきみの色になった
初雪かずら




posted by 水月 りら at 19:44| ポエム | 更新情報をチェックする

2013年10月01日

月見草

ひる咲きの 月見草が
ひとすじの涙を ながして
貴女のうるむ瞳に
露玉のように 咲いていた

うつむいた 貴女が
月見草の瞳にこぼす
ふたつぶの笑くぼ
紅水晶のように
にじむ花びら

見つめるものを
世界でいちばん美しく
映すあなたの瞳
見つめる月見草の
魔法の鏡



posted by 水月 りら at 14:41| ポエム | 更新情報をチェックする

2013年09月30日

雪化粧

雪は
舞い堕ちる瞬間から
重なることを 知っています

冬枯れた
地上のノートブックに訪れて
色あせたことばに よりそい
白いガーゼで 塗りかえる

雪は
舞い堕ちる瞬間から
手離すことを 知っています

わすれたいことの
ひとつやふたつに 降りつもり
氷雨に 身をゆだね
とうめいに 色彩を濡らします

雪は
舞い堕ちる瞬間から
失うことを 知っています




posted by 水月 りら at 22:35| ポエム | 更新情報をチェックする

キミにしてみたら

はこのなかの みかんを
ひさしびりに あけてみたら
はんぶんくらい
カビが はえていて
はんぶんくらいしか
たべられなくなっていて

このまま おいていたら
ぜんぶ カビが
はえていきそうだったから
カビの みかんを
おしみながら すててみる

おなじみかんを すきなのに
どうして カビと
はなしが できないのだろうと
でんわを かけてみたけれど
いつも ふざいのおとが
なりひびき

おなじみかんを すきだけど
いきている せかいが
ちがうのか、と
みょうに なっとくもしてみたけれど
カビは ふつうに
みかんを たべただけ
そんなみかんを たべられないわたしが

キミにしてみたら
カビでしか なかったね





posted by 水月 りら at 22:34| ポエム | 更新情報をチェックする

つるん

飲み干された 
湯のみの内側が
覚えている
飲みものの息遣い
つるんと
記憶がそそがれて

からっぽの
光沢に



posted by 水月 りら at 22:28| ポエム | 更新情報をチェックする

ゆびきり

いちばん 
ちいさな
かよわい
ゆびを
むすびあう

ゆびきり
げんまん

うそ ついたら
はり せんぼん

せんぼんの はりの
はてしない きょりを
いちばん みじかな
こゆびと こゆびで
むすびあっていた

たよりなく 
とうめいな
ふたしかな
ひとしずくの
やくそく

ゆびきり
げんまん
うそ ついたら
はり せんぼん

ゆび きった

ふたたび
あうために
ゆびと ゆびを
ほどきあう

またね、と 
みえなくなるまで
ふりかえり
てを ふっていた
わかれぎわ

はなればなれの すきまに
ひとりぼっちの
じかんを たばねて
てのひらに うかべ
まっている
となりに いたこと
つかのま ふれていた
みずたまの きおく

くものいとで
つむいだ ぬくもりを
ゆびさきだけが
おぼえていた

ゆびきり 
げんまん




posted by 水月 りら at 22:27| ポエム | 更新情報をチェックする

しゃぼんだま

こわれないように
ゆっくり ふくらませていた
おおきく ふくらむように
ストローの さきから
はなれないように
ほそく
ながく
よわい
といきで
はじけそうな あわを
まもっていたよ

いつも 
いっしょにいたのに
きこえていたのに
だいすきだったから
とどいていたのは きみのこえ

プツンと とばし
なぐさめていた かぜのまよいご
つぎに ふくらむ
やくそくをしないまま

どこまで とんでいけるのか
たしかな みらいを
かぜにのせて だれを
あいしていたのか
ふくらせるたびに 
ぼくらは きづく 

ながれのまま
しぜんに うかんだ
まるいじかん
あらいたての 
ちりとほこりに ふれて
まぼろしがきえるほど
ほんとうのぼくらに
であう

あいたいと
ふくらむ いきをふき
おやすみと 
うかべる いきをふく

こわれて
あわいしずくが はちきれる
なくなったのは
うらがえしの いつわりだけ
まぶたに やきついた
いとゆうの しゃぼんだま




posted by 水月 りら at 22:17| ポエム | 更新情報をチェックする

2013年09月16日

海の瞳に

戦士を見送る 桜の花は
海のまつ毛に 咲き乱れ
海のまばたきに 時を知り
海の瞳に 散っていく


posted by 水月 りら at 21:02| ポエム | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。