2013年09月16日

口にしなくても

くろい雲に
かくれている 星を
見つけている  あなた

雨のように
枯れかけた花にも
しずくを 降り注ぐ

足元に咲いている
ちいさな雑草を
かがんで さがしている

風で消えそうな
ろうそくの炎があれば
りょう手をかざし
炎を つつみこむ

拍手をあびながら
歌うことよりも
だだっ広い原っぱで
ちいさな虫に 
歌うことが 好きなあなた

そんなあなたに
口にだして 言えないこと
たくさん あります

蜘蛛の糸のような
かよわい距離が ことばで
こわれてしまわないように

いつまでも あなたの歌が
大地を這って
歌い継がれていくことを
ねがいます

そして
あなたの ひたいを
流れ落ちる ひとつぶの
汗で いさせてください

たったひとつの
わがままです

流れ落ちる汗なら
じゃまに ならないでしょう
いつでも 消えていけるでしょう

口にしなくても
あなたのそばに いられそうだから





posted by 水月 りら at 21:00| ポエム | 更新情報をチェックする

バタフライ―ストライプの羽根―

問いかけに答えられなくて
したたり落ちた黒い雫
呼びかけに答えていたくて
滲みでた白い泡
あなたを困らせていたね

さなぎのまま
そばに いたかったよ

涙を呑みこんだ偽りに
どんな裁きを 受けても
恐くは ないよ

ひらく羽根の純白に
あなたが見つめる空を
編みこんで
とじる羽根の漆黒に
あなたを濡らす雨だれが
沁みこんで

あなたがくれた縞(スト)模様(ライプ)

天にほどいて
野を飛び
花から葉へ
灰色の地に
舞い乱れ
奈落にむすび
風に向かい
雨に打たれ
吹き荒れる嵐に
舞い上がる


posted by 水月 りら at 20:50| ポエム | 更新情報をチェックする

木漏れ日

―枯葉たちー

だれも知らない 
雑木林には
枯葉たちの
眠る場所がある

折れた小枝
墜ちた木の実
ちぎれた枯葉

要らなくなったものたちが
木の根元で しずかに
眠っている
土に溶けて
腐葉土になり
木が生きていく力に
生まれ変わってゆくのだろう

繁る葉の間から
射す 木漏れ日
光は 分け隔てなく
眠ってゆくものたちにも
そっと 降り注いでいる



―白妙菊―

白妙菊の葉先に
降りそそぐ 木漏れ日

形のない光は
形あるものに 息を吹きこみ
目覚めた 銀の縁どりは
ひと束の 息を吐く

ちいさな指先に こぼれた光は
ちいさな指先に 生まれかわる
形ある 人の体に
形のない魂が 宿っているように

木漏れ日は 魂を降りそそぐ
白妙菊の葉先が 光る
はじめて覚えた 白い言葉
輝きだした 命の輪郭



ーせんめいに あいまいにー

窓を見つめた光が
まぶしくて うつむいた

足元に こぼれた光
窓の分身を 床に落として
まっすぐな影と
らせんの影が
交叉する

光は なんて
おおらかなのだろう
すべてのものの影を
そのまま 映さない

窓の形も テーブルの脚も
ガラスにゆれる 妖精たちも
それぞれの影を 描いている
かくれた足元に

のぴやかな光は
たしかな存在を照らし
影の命を 映しだす
せんめいに
あいまいに




ーよつばのクローバー―


くったくが なくて
きさくで きどらなくて
こかげで ほほえんでいる
ひだまりを りょうてでつつみ

どこにでも はえているようで
どこにでも はえていなくて

だれにでも うたえそうで
だれにも うたえないうたを

よつばのクローバーを
まとう うたひめは

スプーンいっぱいの こもれびで
そらいっぱいに あなたにうたっている

つちにこだまする
あしあとのメロディーを
ちきゅうのうらがわまで
あなたにうたっている


キャンディひとつぶの こもれびで



posted by 水月 りら at 20:44| ポエム | 更新情報をチェックする

2013年09月14日

エプロンのポケット

エプロンのポケットには
あなたの歌が詰まっている
あなたの愛したメロディーは
ポケットから伝わって
口ずさむとあふれだす
しあわせな わたしへと

エプロンのポケットには
スパイス一本が配達される
甘いものにも辛いものにも
ひとふりする かくし味
ひとつまみの かくれた味が
甘さも辛さも引き立てて
ポケットいっぱいの
しあわせがいざなう
あなたの笑顔

エプロンのポケットには
天使のコインが眠っている
だいじなものばかりが
天使に守られて
だいじなぬくもりを
いつでも取り出せるように
天使のコインになって
待っている

エプロンのポケットには 
どこでも開く言葉の鍵を入れておく
あなたから届く言葉の卵
ポケットの中でずっとあたためて
卵を孵し愛をふりそそぐ
成熟するほど麗しくなる言葉
あなたに捧げる宝物

エプロンのポケットには
いつもいつも あなたを入れておく
お鍋にだし汁と野菜を入れて
一番美味しくなるように 
思い出したあなたと唄う歌
お鍋の中もグツグツ笑っている
エプロンのポケットに
あふれだす愛の魔法
しあわせの呪文は旨味になって
空っぽを満たしていく









posted by 水月 りら at 17:06| ポエム | 更新情報をチェックする

2013年09月12日

であい

  であいⅠ

とびらをあけて
だれかとであう

ひとつひとつの
であいは たね

たねをはぐくむ
みずを あたえ

ことばをかわし
こころがかよい

たねから めが
でてしんじあう

ふたばが のび
つぼみがうまれ

つぼみふくらみ
はな ほころぶ

たった ひとつ
ひとつの たね

たねのむすうの
ぶんしんをうみ

よわさをみつけ
つよさがのびる

とびらをあけて
いつかとじても

こころにさいた
あなたの はな

ともにそだてた
あかしをつづる


  であい  Ⅱ

とびらをあけて だれかとであう
ひとつひとつの であいは 
てんから まかれた たね
みらいにおこる できごとを
あたため はぐくむ

つちのなかから
たいようのひかりをあびて
あまみずをすいこんで
ことばをかわし
こころがかよい
たねから めがでて
しんじあう

ふたばがのび
うまれたつぼみは
ゆめをみるように ふくらんで
ゆめからさめるように
ひらく はなびら
たったひとつの たね
いくつもの たったひとつに
めぐりあう
うつくしいせつなは かさなり
まずしいせつなは きえる

かさなる せつなに
かれない はながさき
こころのみのりになり
みらいのよかんを しゅうかくする

かなしさも くるしさも
よろこびも くやしさも
こころのうごきが
はなのいろになる 
まばたくひとみのように
はなは ひょうげんできることの
しあわせをしってゆく
であい
それは のびやかな
ひょうげんの たね



posted by 水月 りら at 21:34| ポエム | 更新情報をチェックする

蓮の葉っぱ

そらを まあるく
みつめているの

かぜに まあるく
ふかれているの

ひかりとかげが
なかよく てをつなぎ

あざやかな はなを
まあるく つつんでいたいの



posted by 水月 りら at 21:25| ポエム | 更新情報をチェックする

2013年09月11日

木漏れ日

にんげんから
とおざかるように
木はしげる

にんげんから
のがれていくように
枝がのびる

むぞうさに
しげる 雑木林
木々のかげで
いくつもの
ちいさな命は
呼んでいる

ひとつぶの光
ひとすじに
葉っぱの
すきまから
ふりそそぎ

にんげんが
とどかない空間で
小さな妖精が
ほほ笑んでいる




posted by 水月 りら at 22:23| ポエム | 更新情報をチェックする

はなさないで

その腕を
その手を
その肩を
その胸を
その足を
その顔を
その唇を
その体を
その熱を
その秘密を
 
はなさないで
闇のなかだから
見つけていたい
たったひとりの
愛しいあなた

posted by 水月 りら at 21:56| ポエム | 更新情報をチェックする

鶴の恩返し


一枚一枚の 羽根を千切って
機(はた)を織っていた
鶴のように
わたしも
一枚一枚 羽根を千切って
描いていきます

伝えていたいのです
見つからないのです
見失ってしまいそうなのです
千切る羽根すら
もう 無くなってしまいそう
だけど 探していたいのです

毎日 あなたに贈る
ささやかな 恋文
おはよう
おやすみ
たった それだけを
長々と 綴る日
ひと言を 綴る日

ぎこちなくて
つぎあとだらけの
恋文だけど
一枚の羽根を添えて
あなたに 捧げます

一羽の鶴が 
身を削り
恩返しを したように



posted by 水月 りら at 21:47| ポエム | 更新情報をチェックする

いつも

ケータイでんわのように
さいふのように
一枚のハンカチのように
あなたをくるむスカーフのように

いつも
肌身はなさず
わたしを

はぐれてしまっても
はぐれた場所にあなたがいる
探さなくてもわたしの場所を知っている
数え切れない時間をついやしても
惹き合っている

すべての人がルフの言葉に
気がついていなくても
あなただけは伝えていて
ルフが愛したあなたの言葉を
わたしに









*ルフ…空・海・大地、すべてに存在し、生物にも宿っている魔力
(「マギ」大島忍作より、引用しました)



posted by 水月 りら at 21:41| ポエム | 更新情報をチェックする

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